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灘高全学闘争委員会結成大会基調報告

灘高全学闘争委員会結成大会基調報告
1970年6月24日
灘高全学闘争委員会
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[背景] 1970年6月5日、灘高校(兵庫県神戸市)生徒会評議会、「日米安保条約について考える全校討論集会開催と安保抗議高校ストライキについて全 校投票を行う」提案を採択。6月22日、全校集会、「23-25日にストライキ権を確立した上で全日討論集会を行う」提案を可決、学校側はこれをうけて3 日間全日HRとする。24日、全学闘争委員会(全闘委)、結成集会を開催。25日、高3学年集会、定期テスト全廃を決議。30日、高3学年集会、決議を再 確認し期末テストの無期限延期要求を決議。7月1日、学校側、「実力テスト」と名前を変えてテスト強行を表明。7月3日、全闘委「公開質問状」。7月4 日、学校側「公告」。7月6-8日、全闘委、抗議のハンガー・ストライキ。
本日の6・24灘高校全学闘争委員会結成大会に結集されたすべての闘う学友諸君! われわれは今日ここに〈灘高解体〉を戦略スローガンとして全共 闘運動をめざす闘う部隊の結集体として灘高校全学闘争委員会を結成した。(一言付け加えるならば、結成する組織は全学闘争委員会であり「連合」という二字 を付け加えていない。つまり従来のような高2闘争委員会、高3闘争委員会の特殊状況をそのままにした上での連合でなく、全学単一組織として〈灘高解体〉全 共闘運動を確立するために結集することを軸として統一しなければならないということである。)
60年代階級闘争は、あのベトナム革命の能動的展開をバネとしてアジア・アフリカ・ラテンアメリカの民族解放闘争、中国文化大革命及び先進国における反戦闘争をひきおこしていった。
日本においても、学生革命派を主力とする闘い、とりわけ67年10・8佐藤訪ベト阻止羽田闘争より2年あまりにわたる闘いによって、ブルジョア独 裁の一形態であるポツダム民主主義の本質をあばきだし、左から解体してゆく中から日本人民は“暴力革命”の質と“反帝国主義”の質を自らのものとしてき た。こうしたマルクス・レーニン主義の実践的復権のみならずポツダム民主主義――ポツダム自治会・党派全学連の矛盾を止揚する日本における独創的組織であ り、運動である〈全共闘〉を生み出した。そして日大・東大を頂点とする闘いが帝国主義大学解体をめざす闘いへと発展し「学問の自由」「大学の自治」等の欺 瞞性を暴露する中で、われわれ(高校生にとっても)の幻想の集約体としての東大、あるいは別の意味での日大においても〈幻想〉がつぶされていった。さらに 日常性(自明性)の中に埋没している自己の存在(そしてその地位、意識)を対象化することを強いてゆく中から高校の価値自体、「教育とは……、教師と は……、高校とは……」を〈問い〉はじめた。そして68年大学闘争の質は掛川西高、青山高、日比谷高、関西においては東淀川高、尼崎北高をはじめとする 69年の高校闘争にうけつがれたのだった。
今日の教育は「義務」教育から大学教育に至るまですべてブルジョア私教育にほかならない。それまでは文字通り支配階級の「私教育」であったが、資 本制「公教育」は被支配階級すべてを対象としたブルジョア「私教育」として国家権力によって制度化されていったのだった。それは労働者として一定の質―― 手には技術を!――と、従順なイデオロギー――心には日の丸を!――を持たせるものである。そして中高等教育は、中・高級労働者・管理者養成のためのもの であり、なかでも灘高は“東大合格150余人”に象徴されるように高級官僚、高級技術者、体制イデオロギーの宣教師などを作り出す東大を頂点とする国立大 学へ通ずる道を保障する“灘受験技術教習所”であり、〈差別構造〉の頂点に立っている。
ところが、一方で「国民の利益」=「社会の利益」=「国家の利益」という国家共同体幻想が作りあげられ、一方において、教育幻想、民主幻想(「自 治」なども)をふりまく高校共同体幻想がつくられて、両者が奇妙な癒着を示すことによって、この「教育」の階級性がおおいかくされる。
しかし、これは単に高校問題なのではなく、全教育体系の問題である。単位・成績などがすぐ個別利害に結びつくのを見てもわかるように、学歴・学校 較差などによる“分割支配の原則”が貫徹している。そこでは「灘高生」等という「特殊化」が大きな働きをしており、これを保障する一つの重要な手段とし て、「入学試験」がある。さきにのべたような高校〈共同幻想〉を支えるものとして、この〈差別構造〉があるのだ。そこで、われわれは(特に〈差別構造〉の トップに位置する灘高においては)〈人間〉ランクづけ「受験体制」総体を闘いの対象とする中から、大学入試を頂点とする試験制度――通常試験(中間、期末 など)も含めて――を粉砕(全廃へ!)していき、差別構造解体闘争の一環にまで高めていかなければならない。
〈灘高解体〉とは、このような帝国主義高校――(日帝、さらにそれと同盟を結んでいる米帝など)帝国主義に奉仕して、その人材を養成し、帝国主義 的世界・〈差別〉社会秩序のための階層選別をやっている、〈差別〉を作り出している元――部落・沖縄・朝鮮があるから帝大・灘高がある――の一つである灘 高という「組織」を破壊することである。
われわれに「教育外的・学問外的」強制、腐敗、抑圧をもたらし人間的能力の開花を阻害している教育とは何か! 教育者は何らかの権限(権威)がな ければ、被教育者に「文化」伝達ができない。この関係こそ“教育”と呼ばれるものであり、問題はその「関係のあり方」―「権限」にある。例えば「単位認定 権」「成績評価権」さらに「教育権」などを教師に独占され、支配―被支配の貫徹する一つの権力構造を形成する現行の「授業」「試験」が果して〈教育〉なの か!
われわれはこのようなすべての権限の剥奪とすべての権力の全闘委への集中――二重権力的状況――を作り出していかねばならない。これを権力闘争と して闘い抜くならば武装実力闘争は必須の条件である。また、二重権力を構築し得たとしても、極めて一時的であり、擬似的なものにすぎず、われわれの闘争は 権力の創造―失敗―創造―失敗の連続的過程であることを確認しておきたい。また各地の高校においても「処分」「機動隊導入」など10・31文部省見解がな されているように、これら諸権限は国家権力に媒介されたものとしてあるため、われわれの闘争は体制変革―世界革命勝利の日まで永続的に続けられなければな らない。
〈全共闘運動〉が示した大切なことの一つとして、〈文化革命〉なしに〈革命〉はできないということがあげられる。人間解放をめざす永続革命を提起 したのだった。結局、政治だけでは決してカタがつかないのだ。われわれは教科書などと対決して授業の内的解体をすすめてゆく中から、日常の授業停止――権 力の「内側からの解体」を目標としていかなければならない。
灘高の特殊性をみると、それが私学であることから文部省―県教委―校長などという直接の「支配の論理」がみえないこと、上昇志向文化―立身出世主 義が〈全共闘以後〉もほとんどゆるがず(これが一方的「知識」つめこみを受けさせる)〈差別幻想〉でいっぱいであること、極めて目的社会化され(“受験技 術教習所”)近代合理主義的であること、しかもそれが支える資本制イデオロギーの補完物としての民主幻想―(全員加盟制ポツダム)生徒会が高校秩序の重要 な一環として幻想の集約体の一つとなっていること(特に!)、政治活動も一定程度「自由」であり(「灘高は他校に比べて比較的自由である」!)長髪規制撤 廃闘争においてもみられたように学校当局の状況先取りが「速く、うまい」こと、体制反対派としての日共・民青系勢力が一定程度強く、右へ右へと闘争を集約 しようとすること、などがあげられる。

闘争前史として、われわれは昨年春の長髪規制撤廃闘争、秋のH.R.闘争を語ることができるが、あまり大衆化せず、圧倒的昂揚をつくりだすことはでき ず、先進的学友は学内においては、闘争主体の不十分性、職員会側の先取り状況の中で、ほとんど何もできなかったと言ってよい。第22回卒業式が「無事」お わる中から3月末、高2(現高3)から全闘委結成の提唱があり、高2闘争委員会、高3闘争委員会の連合体としての全学闘争委員会連合(全闘連)が結成さ れ、灘高闘争は第2期を迎えた。そして4・26沖縄闘争に2ケタの部隊で登場して以来、5・12、5・30、6・7、6・12そして6・21、6・23な ど街頭闘争を戦闘的に担ってきたが「街頭政治屋」的限界を破ることができなかった。
6月に入り、6・20~6・23(のち6・23~6・25)安保―高校ストへ、正しい路線の提起とそれによる大量宣伝により、学内に大胆に流動化 をひきおこし、昂揚をつくりだす中から、全闘連内部で、それまでの不十分性を総括し、――われわれが街頭闘争に注ぎ込んでいるエネルギーを、単にそれのみ に終わらせることなく、「生活の場」高校における闘い=教育闘争に還元させ、それを高校教育秩序総体、受験体制総体に対決するものへと高めてゆくことが必 要であることを認識した上で――〈全共闘運動〉構築をめざす部隊が、内部における理論闘争をへて、先進部隊として全闘委を結成したのだった。
学友諸君! これらをふまえた上で、調査・批判・宣伝・組織を能動的に行ない、大胆に全闘委への結集をはかる中から、全帝国主義教育秩序に総反乱をひきおこし、全共闘運動(大衆武装、二重権力、永続闘争)創出へ、進撃しようではないか!
灘高解体!
試験制度全廃! 差別教育粉砕!
教育の帝国主義的再編粉砕!
全教育秩序に総叛乱を!

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